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ポルトガルを代表する音楽「ファド」はポルトガルを訪れたら必ず体験したい事のひとつです。ファドとは「運命」または「宿命」という意味があり、人生の歓びや哀しみ、サウダーデ(哀愁)の想いを奏でるポルトガル人の心の歌です。また、町を称賛したり、町の噂話を題材とした陽気なファドも数多くあったりします。
ファドは日本ではあまりポピュラーではないので、日本で聴くにはコンサートに行ったり専門の店に足を運んだりするしか方法はありません。しかしポルトガルでは一流レストランから庶民的な食堂まで幅広くファドの演奏を行っているので気軽に聴くことができるのです。
ファドはどんな音楽?
ポルトガルの民俗歌謡といわれるファドですが、もともとは貧しい人々が楽しむ大衆的な音楽であり、現地の人にとっては欠かすことのできない音楽なのです。
リスボンの下町には船乗りや売春婦、失業者、アフリカ奴隷などが多く住んでいて、こうした人たちが日々の辛い生活の中で、ひと時の楽しみとしてファドを聴いたり仲間と歌ったりしていたのです。
リスボンの下町で歌いだされたファドですが、もとはブラジルでアフリカ人奴隷が親しんでいた官能的な音楽舞踊が下町に広がり、それにほかの音楽の要素が加わっていき、さらに打楽器の要素が失われ歌の部分が強調されるようになったといわれています。こうして庶民の間で広まり現代まで受け継がれてきました。
演奏者の構成
基本は歌い手である「ファディスタ(Fadista)」、「ギターラ(Guitsrra)」、「ヴィオラ(Viora)」の3名で演奏されます。
ファディスタの女性は黒いドレスやショールを身にまとってう歌うことが多く、男性はジャケットにノーネクタイでポケットに片手を入れて歌う人が多いといわれています。ギターラは6組の複弦、12本の弦をもつポルトガルギターが使われ、ファド独特の旋律を奏でるのに欠かせないものです。そして一般的なクラシックギターのヴィオラ。柔らかな音色がギターラと混ざり合い、絶妙なバランスでファディスタの歌声を支えています。
ファドを楽しむ
ファドを聴かせる店は「カーザ・ド・ファド(Casa de Fado)」と呼ばれ、リスボンのアルファマ地区やバイロ・アルトに多くあります。どこの店もだいたい演奏は21時から始まり、3~4人のファディスタが登場し公演を開き深夜2時まで続きます。
高級な店のほうが、やはり出演者のレベルも高いので他で食事を済ませてからドリンクのみを注文してファドを聴くこともできます。その場合ミニマムチャージ(最低料金)を設定している店が多いので事前に確認しておいてほうがいいでしょう。
庶民的な場所では地元客が飛び入り参加したり、即興で他の人と掛け合いをしたりして最後は店全体で大合唱が起こるなど、まさに大衆的な音楽が味わえます。
ファドを聴きながら食事をした場合、高いところで食事込みのファド代で50ユーロ程が相場となります。食事なしのミニマムチャージの場合10~20ユーロ程度でファドを楽しむことができるので、なるべく低予算でファドを楽しみたい人は食事を済ませてから行くことをおすすめします。
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ファドが聴ける店~アルファマ地区
◆ファド・エン・シ(Fado em Si)
世界各国の雑誌にも紹介されるリスボンでもトップクラスの店。人気店のためあっという間に満席になることも多いので事前に予約することをおすすめします。店内の雰囲気も落ち着いたいい感じなのでドレスアップして出かけたほうがいいでしょう。
ファドの開始は20:30からでミニマムチャージは15ユーロ、食事をしながらファドを楽しむなら50ユーロは見ておいたほうが良いでしょう。
◆ア・バイウカ・アルファマ(A Baiuca Alfama)
下町ならではの庶民的な雰囲気が味わえるレストランで昼間は地元の人が多く利用しています。ギターラを演奏する人はプロですが、ファディスタは地元の常連客だったりと他では味わうことのできない下町ならではの雰囲気を楽しむことができるため、気軽にファドを楽しむことができます。ときにはウェイターが歌いだすこともあるとか!?
開演は20:00頃からでミニマムチャージは25ユーロ。
ファドが聴ける店~バイロ・アルト地区
◆アデガ・マシャード(Adega Machado)
「ファドの女王」として世界的に有名なアマリア・ロドリゲスも出演していたとされる、老舗のファドハウスのひとつ。高級感あふれる有名店で110名まで収容することができ、料理やワインの品揃え、サービスも揃って一流の店として知られています。
ファドの開演は20:30からで食事をするなら30~50ユーロ程、ミニマムチャージは17ユーロとなっています。
◆オ・フォルカード(O Forcado)
昔のワインハウスを改装して造ったためとても広く、ファドの他にもフォークダンスのショーも行われています。230名が収容できる大型店となっていてアズレージョで装飾された店内は、地元客や観光客で平日の夜も賑わっています。
こちらも20:30からの開演となっていて、ミニマムチャージは24ユーロ。
スター歌手の生活が分かるアマリア・ロドリゲス記念館
リスボンに生まれたアマリア・ロドリゲスは幼いころ貧しい生活を送ってきました。しかし、小さいころから歌を歌うのが上手く将来は大物歌手になると周りから言われていたほどです。
そして18歳の時に一流のナイトクラブ「ファドの家(Casa de Fado)」に出演し反響を呼び、ファド歌手として認められるようになったのでした。彼女が世界的に有名になったのは映画「過去をもつ愛情」に出演し、その中で歌った歌が世界中で知られるようになったことがきっかけでした。
アマリア・ロドリゲスが夫と住んでいた邸宅は今では博物館として公開され、ショーケースの中には国内外から授与された賞状や勲章が飾られていています。当時たくさんの演奏者が集まり、セッションやレコーディングをしていたとされています。
夫婦の寝室、ステージ衣装や靴が並べられたクローゼットなど、ファドの女王の当時の暮らしぶりがうかがえます。
まとめとして
日本ではまだまだ知る人が少ない「ファド」ですが、ポルトガルを訪れたなら一度は聴いてみて損はないことでしょう。高級感漂う店で聴く哀愁奏でるファド、庶民的な店で気軽に楽しむファド、双方違った雰囲気で私たちを魅了してくれることでしょう。一度聴けば言葉は分からずともファドの良さ、ポルトガル人の歓び、哀しみを心で感じることができるはずです。
夜になるとアルファマ地区やバイロ・アルト地区ではファドが聞こえてくるので店を探すのには苦労しないことでしょう。夜中まで続くファディスタの悲しみや懐かしさの入り交じった感情ある歌声と、それに合わせて奏でるギターの音色を聴きながらポルトガルの夜を堪能し、たまには夜更かししてみるのはどうでしょう?
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