「沖永良部島旅行」観光未開拓の島で大自然を満喫してみた

観光化の波をかぶっていない貴重で豊かな南の島

自然が豊かだけど、不便。海はきれいだけど、台風がくると閉じ込められる。ご飯は美味しいけれど、夜遊びスポットはない。

こうして列挙すると、それじゃつまらない…という人と、それこそ行きたい! 住みたい! という人の二手にくっきりと別れそうだ。

沖永良部島は豊かだ。でもそれは金もうけの場や娯楽施設の数ではなく、農業の安定、温暖な気候、変わらず美しい自然といった豊かさ。

それらに憧れる人の目には、沖永良部島は天国に一番近い島に映ることだろう。

青い海へ! 飛び込もう

一番人気の「ワンジョビーチ」は、シャワーもあって、ぶらりと立ち寄って波と遊んでもさっぱり。リーフとサンゴ礁に囲まれた「屋子母ビーチ」なら、シュノーケリングやダイビングで海の美景を堪能。ゴジラ上陸地の「沖泊海浜公園」は、沖永良部では珍しい広々とした砂浜でキャンプやBBQも楽しめる。サーフィンなら、浜が平べったい岩の「ビーチロック」で。それぞれに特徴あるビーチが待っている。

沖永良部のビーチは小規模なものが多く、海も遠浅とはいえないが、その分透明度は30mともいわれるほど素晴らしい。名のあるビーチ以外にも、小さなプライベートビーチがわんさか。足と勘を頼りにとっておきを見つけるのもいい。

唯一残された潮吹き洞窟「フーチャ」

海による浸食で断崖絶壁にできた穴「フーチャ」は、陸地に塩害を引き起こすとして、4つのうち3つが破壊されてしまい、今残るのは1つだけ。

断崖絶壁近くの地面に大きく口を開けるフーチャを恐る恐る覗き込むと、真っ青な海面が見える。時にはその中をウミガメが泳いでいく様子も見えたりする。

また、風が吹けば潮の香りが、強風が吹けば潮の飛沫が舞い上がってくるのを全身で受け止められる。

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ウミガメに会えなくても、海を見るだけでも満足!

沖永良部島は奄美でも有数のウミガメ観察地。泳いでいる様子、産卵の様子、子ガメたちの旅立ちの様子などを、肉眼で観察できる場所がいくつもある。

観光地化された場所では、保護のために人を制限する必要があるが、この島では訪れる人のマナー頼り。

そんな中、「ウミガメビューポイント」は、ウミガメ観察のために設けられた特別のスペース。満潮時に陸近くまで食餌にやってくるウミガメを小高い位置から双眼鏡を使ってじっくりと観察できるように整備されている。

景勝地としても花丸で、満潮時にタイミングが合わないとしても、訪れておきたい場所だ。

その一瞬を瞼とシャッターに焼き付けよう

朝焼けを見に行くなら「ウジジ浜公園」。侵食によって形成された奇岩がニョキニョキと海辺に生えるこの場所は、朝日が美しい。

そして、この奇岩たちの姿を、「あ、犬? 猿?」と想像力を膨らませて眺めるのも楽しい。

夕陽は「田皆岬」からが絶景。大山の北西にある岬の先からは、小さいながらもやはり不思議な形の岩が立ち並ぶ向こうに夕陽が沈んでいく様子を眺めることができる。

ドラマシーンに登場するような絶壁でドキハラ

夕陽の「田皆岬」には、50mを超える断崖絶壁もある。巨大な船の鼻先のように東シナ海に延びる岬の先端は、そのまま吸い込まれるような青い海と空。

その青の中に浮かんだり潜ったり泳いだりしているウミガメたちの姿もよく見かける。

近くには、「後ろを振り向かずに行きなさい」という母の言葉と、振り向いた息子の目に映る母の消えた岩場。「青幻記」の舞台になった場所もあり、映画ファンとしては、物思いに浸ってしまうポイントでもある。

同じ断崖絶壁でも、その間際まで広々とした草地が広がる「半崎」もおすすめ。「男はつらいよ」や「東京島」のロケ地にもなった「見たことある」スゴイ風景がそこにある。

まさに南国「日本一のガジュマル」

こんな小学校の出身なら、自慢したくなるだろう。

国頭小学校の校庭には、木の傘幅20m、幹周6mはある巨大ガジュマルが今もスクスク育っている。

東南アジアでは時々見かける巨木ガジュマルも日本でここまで育つのは珍しい。明治31年に第一期生が卒業記念に植えたものだという。

卒業生でなくとも、一目見ておきたい存在感だが、学校敷地内なので、必ず一声かけてから写真撮影などをするマナーを守ろう。

実は洞窟天国「ケイビング」を楽しもう

沖永良部島の地下は迷路のように鍾乳洞が走っているらしい。

一般に公開されている「昇竜洞」、ワイルドなケイビング向けの「水連洞」「銀水洞」、全長少なくとも10kmはあるという「大山水鏡洞」など、国内最大規模のものがいくつもあり、まだ発見されていないものもあるだろうといわれている。

「昇竜洞」は、1kmほどが観光用に整備されていて、石筍や鍾乳石など見どころも多く、ファミリー向け。

「水連洞」や「銀水洞「は、ケイビングツアーでアドベンチャーするケイブ。ウェットスーツとヘルメットを装着し、ガイドともに、よじ登ったり這ったり滑り落ちたり、リムストーンプールにドボンと嵌ったりしながら進むのが楽しい。普通の観光では見ることができない洞窟の奥にある地底世界を体験できる。

ちょっと不便ぐらいがちょうどいい? 沖永良部へは船かプロペラ機で

鹿児島空港と沖永良部空港を結ぶ空路は、現在プロペラ機で1時間ちょっと。2018年度には沖永良部島を経由して沖縄の那覇を結ぶルートも開設の予定と、観光化が進む可能性もある。

また、海路は鹿児島から奄美の島々をホッピングするフェリー、神戸と大阪からの長距離フェリーがある。これらは、和泊港に寄港するスケジュールになっているものの、台風などの影響で他港や他の島の代替港を利用することも多い。

このように、沖永良部島は、訪れるにも暮らすにも。今のところ決して便利とはいえない。しかし、島は豊かで生活が安定しているため、極端な過疎が進むこともなく、また大規模な合併もなく、住民は昔からの生活を続けている。

そして、観光にもそれほど力を入れる必要がない。だからこそ、沖永良部島は忘れられたかのように、観光地化することなく残されてきたのだ。

暖かくて晴天、時々大雨

1年の半分は赤道直下のような暑さ。紫外線の強さも気温の高さも、それ相応の対策なしでは、後で後悔することになりかねない。

短い春と秋は過ごしやすい初夏や初秋をイメージするといいだろう。朝晩は涼しいが日中は海で泳ぐこともできる、そんな陽気に恵まれ、穏やかに晴れる日が続くので、滞在するのに最適な時期だ。

冬もお日様さえ出ていればポカポカ。ただ、忘れたころに寒波がやってくると、普段の暖かさ慣れた体にはびっくりするほど冷え込みを感じる。冬はそれなりのジャケット持参で。

年間降水量は多いものの、これは台風や梅雨にまとまってたっぷりと降るのが原因。普段の晴天率は高い。ただし、雨に降られると、海は大荒れ。マリンスポーツだけでなく、海近くの洞窟が閉鎖され、島と外界を結ぶ交通のほとんども遮断される。

まとめとして

戦後、沖永良部島がアメリカから日本に返還されたのがクリスマスだったことから、「アメリカから日本へのクリスマスプレゼント」ともいわれた。

この言葉、深く考えるといろいろな矛盾や葛藤も感じてしまうが、美しく貴重な島が我々のもとに返されたこと、そして今も、大きな変化なく、自然な美しさを保つことをシンプルに喜びたい。

今後も、この豊かでゆったりとした時間の流れる環境が変わらず残っていくことを願う。

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