情報は生活の質を上げてくれる必須アイテムです。それは日本を飛び出した先の海外でも同じこと。
インターネットを使ってサクサクっと情報を探すことが可能な今日この頃ではありますが、本当にローカルかつオンタイムな話題はローカル誌に載っていることも。日本人が暮らすところ、行くところにある、日系情報誌の発行に携わってみませんか?
日系情報誌の読者はだれ?
現地在住の日本人や日系人です。この二者のうち、前者の日本人のほうが読者占める率は高いと思われます。
なぜなら、現地の言語の理解力が低いことが多く、日本語での情報を飢えているから。日系人も読みますが、こちらは現地語を理解し、さらには現地の情報そのものに十分通じているため、必要性が若干落ちます。
ここでの日系人と日本人の違いですが、前者は現地生まれや現地育ち、現地結婚などで根っこを下ろしている人のこと、後者は生まれや育ちは日本でその後現地入りした人をイメージしています。
日系情報誌を発行するのは日系人? 日本人?
日系人よりも日本人が発行していることのほうが多いようです。
現地で日系情報誌を発行するには、現地の事情に通じている必要があるため、ヒョイっと日本からやってきたばかりの人では当然うまくいきません。かといって、しっくりと現地に溶け込んでいる日系人は、日系情報誌の必要性をそれほど感じないこと、日系社会には所属していても、在住日本人社会とは一線を置いていることがあることから、日系情報誌の読者のニーズをつかめないのかもしれません。
またもう一つ、日系情報誌のバックに日本のミニコミ発行人や発行所などの日本の中小企業がついていることもあり、この場合、日系上布誌を現地で発行している日本人スタッフの一部は日本から送り込まれた人材だったりもします。
日系情報誌には何が載っている? その内容は信じられるの?
観光情報に偏った旅行者向けのものと、食やファッション、または医療や教育などに偏った在住者向けのものに分かれます。
日本から海外旅行に出かけると、空港やホテル、現地旅行会社の待合室、送迎の車の中などに、現地日系観光情報誌が置かれていることがあります。これらはフリー(無料)で配られているもので、現地の観光・ショッピング・食などの案内が満載の便利な旅行案内書がわりになります。
ただ、そこに書かれている内容は、あまり平等な目線の下とはいいがたいのが難。それというのも、フリーペーパーの多くが、掲載店舗からの広告料で成り立っているから。悪いことはかけないのです。
現地在住者向けの日系情報誌は、もう少し情報量が多く細かく生活に即してものになります。たとえば、配送してくれる食料店の案内、引っ越しや日本からの取り寄せを扱う店の紹介、病院や美容院などの生活密着情報などが多くなるのです。
また、旅行者を対象とするのと違い、現地在住者の目はシビア。情報に偽りがあれば、すぐに突っ込まれてしまうため、記事の信ぴょう性はこちらのほうが一般的に高くなるでしょう。
PR広告
日系誌の仕事に携わるにはどんな能力が必要か?
さて、そんな日系情報誌の発行に携わりたいと考えた時、どんな能力や資格が必要になるのでしょうか?
一言で日系情報誌を発行するといっても、その冊数やページ数、扱う地域の範囲などによって、必要とされる人員数や仕事内容も変わってきます。
シンプルに考えただけでも、お金を集める人、情報を集める人、書く人、撮る人、直す人、印刷する人、売る人など、さまざまな立ち位置で発行に携わることになります。
お金を集める人というのは、広告営業がメインになります。雑誌内に広告を載せたい人を探し、その内容を打合せし、デザイナーや印刷屋と交渉します。この職は、現地の事情をそれほど知らなくても、営業経験者なら勤まる可能性があります。日系企業を相手に限定するなら、言語の壁も高くはないでしょう。
情報を集める人と書く人は同じ人がこなす場合が多くなります。いわゆるライターさんですね。こちらは現地情報にアンテナを広く張っていて、現地の言葉も理解できる人が望まれます。なぜなら、情報誌の載せる店や内容が必ずしも日本人経営の日本グッズショップばかりではないから。旅行者でも在住者でも、現地の人御用達的な店にも興味を持ちます。それを見つけ出して取材できないと、内容の薄い生地ばかりの雑誌になりかねません。
あとは、カメラマン、内勤で雑誌のレイアウトをしたり、印刷所との交渉をしたり、配布先を探して実際に配布したりといった作業をする人材も必要となります。
日系情報誌発行に携わるにあたっては、特別な資格は必要ないものの、営業経験、ライターか記者経験、編集経験などが必要になりそうです。
日系誌に投稿してお金がもらえる?
もう一つ、日系誌の発行に携わる方法があります。それは、投稿。
ただ、自分の情報を投稿するだけでは、逆に掲載費を取られてしまいます。そうではなく、ライターに近い立ち位置で、読者が喜び、広告掲載者も喜ぶ内容の記事や情報を持ち込めるなら、投稿であってもお礼として薄謝を受けられることもあります。
現地の食べ歩きなどのコーナーを持ったり、現地の有名人とのコネを使ってインタビュー投稿をする人などもいます。彼らは、それで食べているわけではありませんが、ちょっとした小遣い稼ぎにはなっているそうです。ブログを書いて小銭を稼ぐのとよく似た感覚でしょうか。
いっそ自分で発行してみる?
日本人が多く暮らす地域ではすでに日系情報誌の発行があります。でも、情報誌は一冊あればそれで十分かというと、違いますね。
読者にとっては、情報は多ければ多いほどいいし、より自分の求める内容に近い情報誌があれば、そちらを読むようになります。
そこで、現地事情に詳しい人、または現地の情報の需要や供給に敏感な人は、新たに自分が発行人となって日系情報誌を発行してみませんか?
自費出版は難しいため、まずはスポンサーや広告主を探すところからスタートです。そのため、先に書いたように、営業能力がないと少し難しいかもしれません。
まとめとして
現地のイベント情報を手書きのフリーペーパーで紹介して地元のスーパーにおいてもらったのが最初のきっかけ、という海外大手現地情報誌もあります。
日本人在住者が多い地域では、医療系や教育系などに力を入れることで、大きな広告収入を得られて安定経営&発行できている情報誌もあります。
日系の情報誌は基本フリーペーパー。それほど完璧な雑誌や本の形態をしていなくてもかまいません。気楽に手に取って目を通してもらうものです。ようは、目の付け所次第。
我こそは、流行りに敏感だ、情報に鼻や目が利くぞという人は、日系誌発行事務所に売り込みに、または自分の夢をサポートしてくれるスポンサーを探しに営業に出てみませんか?