ヒンドゥー教・仏教の聖地、ガンジス川・バラナシで感じた事

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写真:papa

電車を乗り継ぎバラナシに到着した。コルカタから15日間かかった。

今回の旅で最も子供たちに見せたかった場所で、この場所の風景と人々、そしてここで死にゆく人々の姿を見て何かを感じてもらいたいと思っていた。

ヒンドゥー教の聖地であるこの巡礼路を歩く事はインド人にとって一生に一度の最大の夢とされている。そして人生の最期をここで迎える事を望む。

毎日24時間ガンガーの畔で数百の死体が焼かれ、遺灰は聖なる母であるガンガー(川)に流される。

ここバラナシは、ヒンドゥーの生と死が入り混じるインド最大の聖地、いや世界最大の聖地といえるだろう。

ガンガーと火葬場

写真:papa

夕マヅメに手漕ぎボートをチャーターし火葬場まで漕ぎ出す、サンセットまであと数分という時にガンガー最大の火葬場マニカルニカー・ガートに着いた。

太陽が落ち闇に包まれていくガンガーに浮かぶ無数の燈火と、その畔にある火葬場の火葬火が次第に闇に浮かび上がってくる。

そのわずかな時間帯に起こる景色の移り変わりは、この世のものではなく、あの世のものにしか見えなかった。

現世での役割を終えた肉体は、僕らの目の前で火葬され、白く美しい煙に乗って天高く舞ってゆく。その光景を見て自然と自分の背筋が伸びていくのがわかった。

そして不思議な事に、この時に見た風景はしっかり目に焼き付いているけど、その場所で聞こえてくるはずの様々な音の記憶が全くない。人々の騒めきやボートを漕ぐ音、風の音などの記憶がくっきりと切り取られている。

あまりにも衝撃的な風景に脳が誤作動を起こしたのか、あるいは僕らに霊的な何かが影響したのかもしれない。

僕としては、後者を信じたい。

翌日は朝早く起きて火葬場まで陸伝いで歩いて行ってみた。最も神聖なエリアである火葬場での写真撮影は禁止されていたので、家族四人しっかりとその風景を目で見て脳に刻み込んで来ようと決めた。

朝早くから火葬場周辺一帯に白い煙が立ち込めていた。その場所では6つくらいの火が上がっていて、既に真っ白な遺灰になっている火もあれば、まだ人の形がしっかり残っている火もある。

ちょうど、僕らが到着したころに、美しい帯に巻かれた男性の遺体が運ばれてきた。その遺体はガンガーに一度漬けられて、家族と最後の対面をした。

その後、遺体は積み重ねられた薪の上に置かれ、火が付けられた。徐々に身にまとっていた帯が燃えてゆき、遺体が火の中から浮かび上がってくる。

やがて、皮膚が溶けて白い煙となって天に昇って行った。

遺体の周りで見守る家族たちはさほど悲しそうな顔をしていない、むしろ笑顔で遺体を見守っている人が多かった。

故人の最後の夢であるガンガーへの埋葬を喜んでいるようにも見えた。

ガンガーガード

写真:papa

毎朝早朝と日没時刻にガード沿いに群衆ができる。インド国内外からこの聖なる母であるガンガーの水を浴びに来るみたいだ。

皆それぞれ、ガンガーで泳いだり、手を合わせてお祈りしたり、花かごを流してお願い事をしたりしている。

北インドはどこに行っても皆目筋が吊り上がりピリピリした人相の人が多かったけど、この地に訪れる人々の多くは穏やかな顔をしているように見えた。

それもそのはず、ここに訪れた人の多くは人生に一度の夢を叶えに来た人たちだから、思わず笑みがこぼれてしまう気持ちがよくわかる。

そんな雰囲気だから火葬場と違って少し僕らもリラックスした気分でガード沿いを歩けた。カメラを向けると意外にも多くの人が笑顔を返してくれたのがとても嬉しかった。

バラナシという場所

写真:papa

ここで生活している人、ここで祈りをささげる人、それらすべての人々にとってこの場所は現実世界なんだけど、僕らにとっては非現実の世界であった。

少なくてもたった1週間の滞在では、完全にこの世界に溶け込むことは出来なかった。時々テレビのスクリーンで映像を見ているような感覚になり、ふと我に返り実際にこの場所に僕らが存在していることに気づく、そんな事の繰り返しだった。

この人たちの信じる神がこの世界を創ったのであれば、僕たちがこの先知りえることはないだろうけど、一つだけこの場所でわかった事がある。

それは、ガンガーが多くの人にとっての母であるという事。

つまり、ガンガーは、沢山の人の願いや思いを優しく見守ってくれる存在であるという事かな。

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写真:papa

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