「世界一周」の「足」である移動手段は、一昔前まで船と徒歩が中心で、一部の特権階級だけに人力車や馬車が使われていました。
やがてそこに、電車が加わり自動車やバスが加わって、特に陸路での移動スピードは急激に上がりました。
現代の長距離移動中心は飛行機。スピードは文句なしの一番です。
「世界一周」を考える時、移動手段の選択肢は実はたくさんあります。どんな方法があり、どんな特徴があるのかまとめてみました。
どの移動手段を選ぶか?
一部の旅を仕事とする人々以外は、「世界一周」は限られた予算と時間の中で工夫する必要があります。
安さを求めた移動手段を選ぶと時間がかかることが多いのは当然ですが、結局は時間だけでなく費用も余分にかかってしまう可能性があります。
飛行機を使えば数時間で移動できるところを、格安の長距離バスで移動すれば数日かかることもあります。その数日の間には、時間だけでなく食費や宿泊費もかかってくることがあるからです。
「速い=高い」とも、「ゆっくり=安い」とも限らないので、その場に応じた選択が必要です。
空路:飛行機:世界一周航空券
もっとも一般的な世界一周の基本移動手段は「飛行機」を利用することです。飛行機の航空券には、さまざまな種類があり、「世界一周」に特化した航空券も存在しています。それが「世界一周航空券」です。
これには、一定のマイル数内で乗り放題となる航空券や、回数券のようにバウチャー形式の航空券などがあります。
それぞれに細かいルールがあるため、どんな「世界一周」旅行者にもピッタリとはいかず、ある程度ルートと日程を定めて旅立つ必要があります。
空路:飛行機:格安航空券
「世界一周」以外の海外旅行でよく使われているのが「格安航空券」です。旅行代理店を通して購入します。
シーズンや乗り継ぎ回数・経由地などによって、料金が大きく変わりますが、正規の航空券と比較すればかなりの割引率となっています。
ただし制約が多く、日程の変更ができなかったり有料だったりするため、これも日程を計画して出発できなければ使いにくい面があります。
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空路:飛行機:正規割引航空券
航空会社と旅行代理店の2か所を通している「格安航空券」に対して、航空会社が直接販売している「正規割引航空券」は、制約が少なめです。
以前は価格が高かったため、格安航空券がどうしても手に入らない場合の選択肢として使われることが多かった「正規割引航空券」ですが、近年の競争激化による価格破壊で、かなり割安感が出てきました。
また、多くの航空会社がネット販売をしているため、代理店を通さずに、空席情報をよりオンタイムで正確に知ることができ、手数料などを取られる可能性も減ります。
さらには、正規チケットであることから、オーバーブッキングで乗れない可能性も減ります。
空路:飛行機:LCC
最近加わった新しい航空券がLCCの航空券です。
LCCとは「Low Cost Career」の略で、効率的な運営によって低価格を実現させている航空会社のことです。ビデオがない、機内食や飲み物の無料サービスがない、ビジネスやファーストシートがないなど、サービスが簡素化されているのが特徴です。
LCCは安さ以外にもう一つ強力な武器を持っています。それが「片道販売」です。
ほとんどの航空券で往復販売が一般的な中、LCCはほとんどの会社で片道ずつ購入が可能です。世界を渡り歩く「世界一周」の旅人にとって非常に便利な存在といえそうです。
ただ、販売方法が主に正規サイトを通してとなり、街角の旅行代理店では扱っていないこともあります。また、LCC各社は独自のキャンペーンを行っていることが多く、チケットの料金が変わりやすいのも特徴の一つです。
そのため、自分で複数のLCCサイトを頻繁にチェックして比較していく必要があります。
もう一点、LCCの得意路線は短・中距離。海洋を横断するような長距離は就航していないところも多く、旅の順路が限られてくるという難点も持っています。
空路:ヘリコプターやセスナ
一部の交通の難所を通過するために、ヘリコプターやセスナなどを使用することも考えられます。
多くの場合は少々贅沢な移動手段となりますが、どうしても訪れたい場所がそれらの手段でなければ到達できない場合には仕方がありませんね。
海路:世界一周クルーズ客船
長距離移動手段の中でも最初から「世界一周」と名がつくものがあります。その一つが「世界一周クルーズ客船」。日本発着のものも数船あります。
世界一周クルーズの場合、乗り込んだ船の行先が旅先になるため、旅程を自分の思い通りにすることはできません。また、飛行機に比べて移動時間が非常に長いため、クルーズ中の大半を船の中で過ごすことになります。
さらに、客船内はホテル以上に客室ごとに価格も設備もサービスも異なっています。予算が十分にあれば問題ありませんが、低予算でクルーズに参加する場合は、常にその格差をひしひしと感じながらの旅となることを知っておいたほうがいいでしょう。
海路:リゾートクルーズ
カリブ海や地中海などの有名リゾート地を巡る高級リゾートクルーズも世界では多数運航しています。
これらも、シーズンや路線、客室によっては、予算の限られた「世界一周」旅行者の手が届く場合があります。
海路:フェリー
海路には、「世界一周」のような超長距離だけでなく、短距離から中距離までさまざまなフェリーが運航しています。
日本発のフェリーとしては、福岡から韓国行きの国際定期フェリーが知られています。国内であれば、本州と北海道や沖縄、伊豆七島をつなぐフェリーなどもあります。
そして、海外発のフェリーは、国際・国内問わず、多くの地域で実用的な移動手段として活用できます。
一度に大勢を乗り込ませることができるため、価格が割安であること、宿泊できる設備が整っている場合が多いことなどから、旅行中にも使いやすい存在です。
陸路:電車
陸路で長距離を結ぶ移動手段の代表が電車です。電車は、その国によって価値が異なり、贅沢な乗り物として認識されている場合もあれば、安くて過酷な乗り物の場合もあります。
当たり前ですが、電車は線路のあるところしか走れません。そのため、小回りが利かないという問題点があります。
都市部の移動手段としては便利かつ確実な方法として広く利用できるでしょう。
陸路:バス
バスは電車と比較して、安さの面でも小回りが利く面でも旅人にとって有効な移動手段です。
長距離バスは多くの地域で人々の足として活躍していますし、短距離バスは観光をスムーズに行うのに便利に使われています。
陸路:車やバイク
レンタカーをすることのできる国で、道路事情が良ければ、車での移動も自由な旅として人気があります。
中には自分の車で「世界一周」をする強者もいますが、これはかなりの準備と費用が必要です。
バイクの場合はアジアの短距離移動手段としてレンタルバイクが手軽に利用されているほか、やはり自分のバイクを持ち込んで、または現地購入してツーリングで「世界一周」をしている人もいます。
陸路:自転車
自転車は車やバイクよりも簡単に持ち出し購入もできるプライベート移動手段です。
折りたたんだり分解することで、飛行機や船、バスなどに積載することが可能なので、旅の移動手段として人気があります。
陸路:徒歩やマラソン
街を観光するなら徒歩でもできますが、「世界一周」を徒歩でなしえた人はまだいないとされています。もちろんマラソンも同じです。
広い世界、体力だけでなく安全面を考えても、個人での徒歩世界一周はかなりの高さのハードルといえそうです。
ただし、部分的に旅の中に徒歩やマラソンを組み込むことは可能です。
まとめとして
実際の「世界一周」は、さまざまな制約から、「飛行機」、「船」、「バス」、「電車」、「徒歩」といった一般的な移動手段で組み立てられることがほとんどです。
時には贅沢に、時には趣味を生かして、時には冒険をして、一風変わった移動手段を試してみるのもいいかもしれませんね。