旅先での出会い~少数民族 マオリ族 の暮らしを体験!

ラグビーチームのパフォーマンスとして有名になった踊り「ハカ」。あれは、マオリの伝統文化です。

ニュージーランドの先住民であるマオリ族が、はじめにどこからやって来て、ニュージーランドでどのように暮らしてきたのか、そして今はどうしているのかをご紹介します。

マオリ族(Māori)にはどこへ行けば会えるの?

マオリ族が伝統的なマオリ族のままの姿で暮らしている場所は多くありません。

いくつかに分かれた社会集団に所属し、有力者の中から王が選ばれるなど、マオリの国社会は存在しますが、一人ひとりのマオリのほとんどは、現代生活に溶け込んでいます。

伝統的なマオリの姿や文化を見るには、マオリ村を訪ねるのが近道です、ロトルア市街にあるタマキ・マオリ村、ミタイ・マオリ村、オヒネマツ・マオリ村などは、もともとあったマオリの村を復元したマオリ体験ができる施設として運営されています。

マオリ族(Māori)はどんな生活をしているの?

マオリの生活の中心には「マナ」があります。これは彼ら独特の価値観を示す言葉で、日本語にするなら「善」とか「徳」といったところでしょうか。

昔、マオリ民族には貨幣という価値観がありませんでした。その代わりに使われていたのがマナ。感謝はマナで示し、謝罪もまたマナで表していたのです。

集落の生活は、「マラエ」と呼ばれる集会所を中心としています。これは、古い日本でいう寄合所のような存在でありながら、同時に宗教的な拠り所でもあります。

マオリ族は何かあればマラエに集まり、マラエで相談し、マラエで祭事を行っています。

マオリ族(Māori)は何を食べているの?

ポリネシア料理では「蒸し焼き」がよく行われます。地面に掘った穴に、火元となる焼石などと一緒に、布や葉っぱにくるんだ食料を入れて蓋をして、数時間かけて蒸し上げる料理です。

マオリ族もこの食文化を持っていて、「ハンギ」と呼ばれています。マオリは肉も魚も野菜も、そして穀物も食べます。これらをシンプルに塩で味つけて布でくるんで焼石と一緒に蒸し焼きにします。

現在では、普段からこの食事をしているマオリ族はほとんどいませんが、今も祭事の食事として受け継がれています。マオリ村でも食べられます。

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マオリ族(Māori)ってどんな服装をしているの?

マオリ族は、シンプルな布を巻きつける服装をしています。女性は胸から膝下までを、男性は腰回りを布で巻いて隠しています。

また何より特徴的なのは、体にいれた入れ墨でしょう。男性も女性も、入れ墨をしていないマオリは基本的にいないとされます。

マオリの入れ墨のデザインは独特で、「モコ」とよばれるもの。所属する集落、身分、男女別などによって、その柄は異なるそうです。色は単色。日本のように、また近年のブームのような色付きではありません。

また、入れ墨を施す場所は、体だけでなく、顔や頭にも。ただ、近年は顔への入れ墨が減ってきているそうです。ニュージーランドは入れ墨に対して許容範囲が広い国ですが、それでも、顔の入れ墨は目立ちますからね。

そのほか、木や石を使ったペンダントやイヤリングを装飾品として身につけ、髪は男女ともに長く、鳥の羽などで飾ります。

マオリ族(Māori)の仕事は何を?

海から魚をとり、山から肉と木の実を得、さらには、野菜や穀物などの栽培も行っています。

マオリたちは、自分が食べるための狩猟採集農耕以外に、手工業に携わっています。彼らは芸術的な才能に秀でていて、宝飾品の加工、彫刻、絵画などは、自分たちのためだけでなく、芸術品やお土産としての販売が広く行われています。

また、マオリが守ってきた自然エリアでは、観光客を案内するガイドとして働くものもいます。また、マオリたちの生活を直に見て体験できる施設が複数あり、そこでは、彼らの「ハカ」などの踊り、「入れ墨」の実演、料理を味わえるレストランなどのサービスが提供されていて、多くのマオリ族が働いています。

マオリ族(Māori)のイベント・祭りについて

マオリのイベントといわれて思いつくのが、ラグビーニュージーランド代表クラブ「オールブラックス」が試合の前に必ず舞う「ハカ」なのではないでしょうか。

これは、マオリ族の戦士たちが戦いに向かう前に行っていた儀式で、手を叩き、足で地を踏み鳴らし、大きな声で気合を発し、自己の力を高めて誇示し、戦う相手を威嚇するという意味合いを持っています。

マオリ族(Māori)の民族的な由来は?

マオリ族はポリネシア系。タヒチ近辺が起源だと考えられています。そこから、船で島を伝ってニュージーランドまで渡ってきたわけです。

ただ、ニュージーランドは、ポリネシアの各島と比較して四季があり気温が低いため、ほかのポリネシア系とは一線を分けた独特の文化が生まれたと考えられています。

マオリ族の中には、自分たちの起源に関する神話が残されていて、クペという航海者がニュージーランドを発見し、そこへと移住するように指示をしたことがきっかけとされます。その後7艘の遠方航海可能なカヌーに乗ったマオリの祖先たちがこの地に到達したそうです。

マオリ族は、ニュージーランドに定住した後に海洋民族から狩猟採集農耕民族へと変わったため、彼らに本当に遠距離を航海する技術があったのかどうか疑問視する声もありますが、マオリに伝わる伝統的なカヌーを使い、タヒチとニュージーランド間の実験航海を行うなど、神話の裏付けを取る冒険も行われています。

現在のマオリ族(Māori)たちが抱える問題は?

マオリはニュージーランドのイギリス植民地化、マオリ文化の軽視などから、白人社会と都市生活に馴染んでいかざるを得ませんでした。

マオリ族の中には、マオリ語を話すことができず、英語で生活する者も増えています。

根強く残る差別と、薄れてしまったマオリの伝統、その両側からマオリ族はその文化の保護に取り組む必要性を今、感じています。政府もまた、遅ればせながらマオリ文化の保護やそのための法律の整備などに取り組んでいます。

まとめとして

マオリ族はニュージーランドの先住民ですが、長く差別を受けてきたため、その社会的地位は低い状態が続いていました。

一方で、政府による都市部への移住や多民族との同化優柔などの結果、混血化が進み、純粋なマオリ族が減り、マオリ族の伝統文化もかなり廃れてしまいました。

しかし、近年になって、マオリ族の持つ芸術的センスや、人々の興味を引く「ハカ」や「モコ(入れ墨)」などの存在が、ニュージーランドの「売り」にもなりつつあり、その文化的価値が見直されています。同時に、マオリであることを隠すよりも、堂々と顕示したいと考えるマオリの子孫も増え、マオリ族とその文化は徐々に復興に向かっています。

残念ながら、純マオリ族の暮らす集落といった場所はほとんどないものの、彼らの文化を体験できる場所は増えてきています。

迫力あるハカに圧倒され、繊細かつ美しいデザインの手工業品に財布のひもを緩めてみましょう。さらに、入れ墨だらけで体も大きなマオリ族の迫力に腰が引けそうになっても、実際には驚くほど人懐こい彼らと、積極的に交流してみてはいかがでしょうか。

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