雲海が守る仏教聖地~峨眉山と楽山大仏を訪れて

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金銀銅の寺院と雲海が守る仏教聖地~峨眉山と楽山大仏「Mount Emei Scenic Area, including Leshan Giant Buddha Scenic Area」/中国・四川省

山の形が美しい少女の眉のようだから「峨眉山」と名付けられたという中国屈指の仏教聖地だ。

「峨眉は天下に秀たり」との言葉通り、自然に恵まれた美しさと厳しさとを持ち、他者の追随を許さない。最高峰は3000mを越え、その裾野から頂上部までは亜熱帯から温帯、亜寒帯と変化することが、多様な生物を育む理由となっている。

峨眉山の自然と寺。仙人でなくとも仏教徒でなくとも、観光で立ち寄ることができるようになった、聖地の見どころをまとめてみた。

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峨眉山は「普賢菩薩」の霊場

日本では女性の守護神として信仰される普賢菩薩だが、ここ峨眉山では十万三世の衆生を救済する存在だ。

標高3079mの金頂には、象に乗った四面十方普賢金仏が鎮座している。高さは48m、これは阿弥陀仏の48の願望を表現したもので、四面十方は世の中すべてを意味する。あらゆる人を助けるために、すべてを見渡しているわけだ。ブロンズ製だが、金メッキが施されているため、その姿は非常に煌びやかで当然ながら神々しい。

普賢菩薩霊場・道場は山中に26を数え、宗教と自然との調和や歴史が認められ、世界遺産として登録された。

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楽山大仏

世界遺産登録は、峨眉山単独でなく楽山大仏と一緒。峨眉山地域内とはいえ、若干距離のある両者だが、同じく仏教遺跡ということから共同名での登録の運びとなった。

楽山大仏は弥勒菩薩の磨崖仏。楽山市にあることからその名がついた。8世紀に造られたこの大仏は、この時期に作られた大仏としては最大級。日本を代表する奈良・東大寺の大仏の5倍の大きさがある。また、中国国内の大仏の多くが国家事業や宗教団体によって作られるが、楽山大仏は、この地で採れたという塩の交易で裕福になった住民たちが感謝の気持ちを表すため、また、塩の通り道である大河の安全を願って布施を集めて刻まれた。崖から掘り出された巨大な仏は、その制作段階で出た土砂によって実際に川の氾濫防止という住民たちの悲願を叶えた。

創建当時には巨大な仏を囲むように伽藍が作られていたものの、消失して以来再建はならず、現在は風雨にさらされたままとなっている。極彩色に塗られていたという姿は赤茶け、苔むした姿となり、修復作業はされているものの、当時の姿を見ることはできない。

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報国寺

峨眉山の温帯エリアに位置する総本山。17世紀の創建当時は仏教だけでなく、儒教や道教の三宗教が混在する寺院だったが、明・清代には仏教教義がその中心に据えられて報国寺と名付けられた。

報国寺には三宝、高さ2.5mの焼き物の仏像、巨大な銅鐘、華厳銅塔が存在し、特に華厳銅塔には、5000近い仏像が納められている。

峨眉山観光の足となるバスターナルがあるため、広々とした境内には人も多く先を急ぎたくなるが、多くの見応えある伽藍が点在しているので、素通りはしたくない。

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金頂

黄金の普賢菩薩像がある金頂は、峨眉山ロープウェイの頂上降り口から近い、展望を楽しめるエリア。朝日をはじめとして、雲海などの珍しい自然現象を目当てのハイカーも多く訪れる。

近くには華厳寺と臥龍庵があるほか、金閣・銀閣ならぬ金殿・銀殿があり、山頂にこれだけの金ピカ銀ピカの巨大寺院を建てる信仰心には驚かされる。

ここから峨眉山の最高峰万仏頂まではハイキングコースができているので歩いていくことが可能だ。天候にもよるが早朝は霧に包まれるホワイトアウト体験もできる。

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華厳寺

頂上付近にある華厳寺には、金殿・銀殿に並んで銅殿もある。建物としてはどれも似通っているが、その色はきっちり三色。山の山頂で冬は雪景色、夏でもヒンヤリ澄んだ空気が漂う中、その空気には華やかさや煌びやかさもある。

周囲の象や仏の像たちもキラキラ。全てのフォルムは確かに仏教寺院であり中国的でもあるのだが、どこかしらインドやネパールのヒンドゥー的な要素が見られる。

中国を訪ねているというよりは、ネパール山地の寺院を訪ねているような気分になってくる。

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万年寺

420年に設立された峨眉山でも古く重要な寺。この寺の価値は宗教的・歴史的な面だけでない。それは、古い寺院そのものは落雷によって焼失して現在の寺院は20世紀に再建されたものであることからも知れる。

では、その特別な価値がどこにあるかというと建築面。万年寺普賢殿は梁が一本もない構造で木材も釘の1本も使われていない、その建築材料の大半がレンガだ。それなのに、他の寺院が被害を受けた地震でも崩壊したことがない。訪れた際には周囲を見回すのをお忘れなく。

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峨眉山とお茶

中国のお茶文化は仏教寺院が連立する山中にまで広がっている。

峨眉山は「竹叶青(ちくようせい)」と呼ばれるお茶の産地。非常に香りがいいのが特徴で、そのツンツンした葉の形が竹の葉に似ている。

一杯のお茶で渋みから甘味まで楽しめるとして愛好家も多く、峨眉山エリアのお土産屋では必ず売られている。軽く、誰にも喜ばれるお土産として最適だろう。

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ブロッケン現象など自然の不思議

古くから峨眉山エリアでは不思議な現象が見られるといわれてきた。その原因はいまでは自然が起こすものだと分かっているが、自然科学の発達していない時代には、それを宗教に結びつけて考える人も多かった。峨眉山が神聖な地となった理由にはそんな事情も含まれているのかもしれない。

では実際にどんな不思議現象を見ることができるかというと、まずは「ブロッケン現象」があげられる。日本を含めた世界中の高山で見ることのできる現象だが、その不思議さは格別だ。

霧や雲に映った影に虹のような環が見える気象現象で、その様子から日本では「御来迎」とも呼ぶ。峨眉山では遭遇確率が高い。

日の出というオーソドックスな現象も、ここで見ると特別に見えるし、雲海がでやすいため、雲とのコラボレーションがその時々に不思議かつ美しい現象を起こしてくれるという楽しみがある。

ただ、日の出は朝山麓から上ってくるのでは間に合わないので、山頂付近に宿泊することになる。

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峨眉山観光方法

成都からアクセスすることが多く、峨眉山の山麓まではツアーバスや路線バスでアプローチすることが多い。登山をする人以外は、バスターミナルでエコバスに乗り換えて山頂行のロープウェイ乗り場へ向かう。

このドライブは、曲がりくねった坂道をスゴイ勢いで走り抜けるマイクロの中でドキドキハラハラの連続だ。2時間ほどかかる道中、休憩がはいるが、主に人のためではなく坂道で酷使されるバスのブレーキを冷却するのが目的。

終点のターミナルからロープウェイ乗り場までは階段を30分近く上ることになる。これがつらいが、人力カゴが出番を待っているので、頂上部での活動のために体力を温存するためにも有効活用したい。雲の中をユラユラと上がっているロープウェイもなかなかのハラハラ度だ。

ロープウェイの山頂駅近くにはホテル(山小屋風)やお土産屋もあり、ゆっくりと観光したい人はここに宿をとることになる。

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楽山大仏のアクセス方法

出発の起点になるのはやはり成都。ここからバスで向かうが、直接楽山大仏の麓まで行くか、少し手前の遊覧船乗り場でおりるかという2つの選択肢がある。どちらを選んでも、大仏と遊覧船乗り場間はバスがたくさん走っているので、移動には困らない。

ただ、楽山大仏はそれしか見るものがないので、遊覧船観光とセットで楽しむパターンが大半だが、大仏エリアは観光客が集中して混雑する。順序は訪れる時間帯によって順番を考えたい。

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まとめとして

峨眉山は、仏教聖地として、山としての両面の観光を楽しめるエリアになった。ロープウェイや遊歩道の整備も進んで、点在する寺院や展望エリアなども移動しやすい。その分、訪れる人が増えているので、季節や時間帯によっては非常に混雑することも憶えておこう。

また、山麓と山頂の温度差が激しい山であること、霧が出やすく雨も多い湿度の高い山であることなどから、防寒・雨具などに対策も必要だ。

周囲の自然は保護対象なので、抜いたり捕まえたり持ち帰ったりは厳禁。特に猿は人に馴れていて危険なので、距離を取っておくのが正解だ。

そこを訪れた人しか感じることのできない感動を、写真、動画、そして言葉で表現してみませんか? あなたの旅の話を聞かせてください。

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