はじめに
旅をしている間、家族や親しい友人のほとんどは遠く離れてしまいます。時折電話やメールでつながることはできても、困っている時に手を差し伸べてはくれません。だからこそ、異国で優しくされると感動・感激するのです。
世界一周をしていると、国ごと地域ごとに人の性質に違いがあることが分かります。それは、文化・宗教・政治などが関係していることもあれば、対日感情が関係していることもあります。
ここでは、日本人が世界を旅する時、優しい人に出会える可能性の高い国のトップ10をご紹介します。
1. タイ
仏教の教えが国民性に大きく影響を与えているタイ。もともとあらゆる生き物に対して優しいところへ、親日家が多いことも相まって、日本人に対しては特に優しく接してくれます。
残念なことにぼったくりや詐欺なども多いのですが、困っている時に声をかけて助けてくれる人も多いのです。
もし、タイがだまされるばかりの国であれば、いくら物価が安くてもこれほど多くのバックパッカーたちが好んで訪れて滞在するわけがありませんね。
2. 台湾
タイと同じく親日家が多く、日本語を話せる人も多い台湾も、旅をしていて人の優しさに触れることが多い国です。
日本によって統治された歴史を持ちますが、そこに反感を抱いている人は同じように戦中日本統治下にあった他国に比べて少ないのが特徴。
台湾の人々は、見た目が似ていて文化的にも似た部分を持つ隣国からの友人として、日本からの旅行者を大切に扱ってくれます。これらの親日感情は、現在台湾を訪れる多くの日本人が礼儀正しく振る舞っていることにも関係しているといわれています。
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3. ニュージーランド
ニュージーランド人もまた、生来のゆとりある優しさを持っています。そこへ加えて親日感情もあり、日本人にとって旅をしやすい国となっています。
日本とニュージーランドはともに島国であり、逆さまとはいえ四季もあり似た環境を持つとは言っても、アジア人と西洋人というまったく異なる人種です。それでも、どこか親しみを感じ合う部分があるようです。
また、ニュージーランドにとって日本は、アメリカやオーストラリアに次ぐ重要な貿易相手国であり、日本から見たニュージーランド以上に、ニュージーランドにとって日本は関係が濃く深い国であることも日本人に対する優しさに影響を与えています。
4. トルコ
先進西欧諸国に対する感情が悪化傾向にあるトルコであり、アメリカ人観光客などは時折トルコ人たちから攻撃的な態度を示されることもあるようです。ところがアメリカと関係が深い日本に対しては非常に友好的な態度を取り続けています。これには、いくつかの理由があるようです。
まず歴史上、日本近海で遭難したトルコ船を日本人が献身的に救助し、無事トルコへと帰ることができるよう力を尽くしたという事実があり、トルコ人にとってこれは国民が皆知っていることなのだそうです。「日本人は命の恩人」といった認識が根底にあるのですね。
そのため、「困っている日本(人)は助ける」のが当たり前なのだとか。実際に旅をしていて、強面のおじさんたちが、こちらが日本人だと分かると途端に相好を崩して優しくなることがあって驚かされます。
5. ベトナム
急激に親日度がアップしている国がベトナムです。ベトナムは長く中国の影響を受けてきましたが、急成長を遂げている背景には中国離れがあるともいわれています。かわって注目されている国の一つが日本なのです。
日系企業の進出の影響、アニメなどの文化の影響、海外旅行先としての魅力など、日本に対する好感がアップするネタは盛りだくさん。
さらに、ベトナム人たちの持つ人懐こさも手伝って、日本人にとってとても旅をしやすい国となってきました。
6. アメリカ
冷たい人の多い国としても名前があがるアメリカですが、こちらの態度如何では優しい面にも出会います。
元より人種が入り混じった新しい国なので、日本人であっても旅人であっても溶け込む気になれば簡単です。こちらが飛び込む気持ちを持っていれば、受け入れてくれる懐の大きさ深さを持っている国なのです。
向こうから積極的に手を差し伸べてくれる優しさに多く出会うことがなくても、困っている時にこちらから助けを求めれば与えてくれる、そんな国でありそんな人々の多いのがアメリカです。
7. サウジアラビア
日本にとって原油の最大輸入国であるサウジアラビアですが、政治的に不安定で紛争地帯も近かったことから、旅行先としてビザを取得しやすくなったのはごく最近のことです。
そのため、世界一周の立ち寄り国としての認知度がそれほど高くはありませんが、日本との関係は意外なほど古く深く、日本人に対する感情も悪くありません。
ただし、国民そのものがまだ観光客に慣れていない部分があるのと、女性の自由な行動に制限があることなどから、国民の日本人に対する優しさを感じる機会は多くありません。早く、政治・宗教など紛争の影響がなくなり、人々の心が荒むことなく優しい心を持ち続けてほしいと願います。
8. アイスランド
日本人旅行者はあまり多くありません。そのため、アイスランドで優しい人に出会った、優しく対応されたという実例も多くありません。それでも、ここにランクインさせているのは、アイスランドが世界的に旅人に優しい国として認識されているからです。
厳しくも美しい自然に恵まれたアイスランドは、観光業が発展している国でもあります。物価が高く生活水準も高いため、治安がよく、旅人にとって安全に旅行のできる国です。
礼儀正しいアイスランド人は、観光客に対しても押しなべて親切なので、アイスランドはやはり優しい人が多い国といえそうです。
9. イタリア
優しい人が多いというよりも、デフォルトとして優しく接する国民性を持つのがイタリアでしょう。日本人の標準的な感覚からするとお節介と言った方がいいかもしれませんね。
優しさの感じ方や尺度は個人差だけでなく男女差や国民差も大きく、イタリアの優しい態度や言葉は日常生活の中に浸透しています。それに慣れていない日本人はイタリア人にとって普通である優しさにヤラれてしまうこともあるわけです。
こう書くと、イタリア人の優しさは表面だけで信じるとトラブルの元となるようなイメージもありますが、実際にはそんなことはありません。彼らは弱い人、困っている人に対して親身になってくれる優しさを十分に持っています。こちらの受け取り方さえ注意していればトラブルは最小限に防げるでしょう。
10. ブラジル
日本からの移民である日系人が活躍していることから、親日家が多い国といえます。近年は観光化も進み、訪れる日本人も増えています。
地域によっては治安が悪く危険な場所もありますが、平均的なブラジル人にとって日本人は親しみを感じる相手です。世界一周中も「日本人か?」と聞いてくるブラジル人に出会うことがあるでしょう。
「日本人だ」と答えて、ぼったくられたり騙されたりする可能性よりも、「俺は日本が好きなんだ」と握手を求めてくる場合の方がずっと多い国です。
まとめとして
優しい国民性というのは確かに存在します。対日感情が良い国というのも存在します。しかし、旅人に対する優しさというのは、旅人がその国にどんな形で関わっているかも重要なポイントです。
お金を落としてくれる客であるだけでは、大切にはされても優しくはしてもらえません。その国の文化などを認めてくれること、出会う人との交流を楽しむことなど、旅人側も優しさを持って接することで初めて、相手からも優しく接してもらえるのです。
世界一周中は、冷たくされたり優しくされたり、騙されて悔しい思いをしたり、親切を受けて感動したり、いろいろな経験をします。どんな時も、良いことも悪いことも、一方的に受け取るだけではなく、こちらの行動や心の持ちようにも関係していることを知っておくと、旅で優しさに触れられる機会はもっと増えるでしょう。