海に浮かぶ孤島の修道院~モンサンミッシェルを訪ねて

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先住民のケルト人が信仰する聖地。また、カトリックの巡礼地であり、戦時中は城砦。はたまたフランス革命時は囚人を閉じ込めるための監獄として歴史の中で様々な顔を見せてきたモンサンミッシェル。ジブリ映画「天空の城ラピュタ」のモデルともされているその魅力と歴史に触れるため、フランスはサンマロ地方を訪れてみました。

モン・サン・ミッシェルとは?

フランスはノルマンディー地方にあるサン・マロ湾上に浮かぶ修道院。カトリックの巡礼地のひとつであり、1979年には「モン・サン・ミッシェルとその湾」としてユネスコの世界遺産に登録され、1994年10月にはラムサール条約登録地となった。モンサンミッシェルとは日本語で「聖ミカエルの山」という意味。この修道院は大天使聖ミカエルのお告げによって聖堂が建てられたという伝説が残っています。

モンサンミッシェルの歴史

この島はもともとモン・トンブ(墓の山)と呼ばれ先住民のケルト人が信仰する聖地でした。中世には、ベネディクト会の修道院を島に建て、これが増改築を重ねて13世紀にはほぼ現在のような形になったとされています。中世以来、カトリックの聖地として多くの巡礼者を集め、増改築を重ねたこともあり、修道院の主要部はゴシック様式の建築ですが、内部はさまざまな中世の建築方式が混ざり合って構成されています。カロリング期の様式、ノルマン様式、ロマネスク様式、フランボワイアン・ゴシック様式。さらに建物内が上層、中層、下層に分かれており、至るとこで様々な建築様式を見ることのできる貴重な場所でもあります。また。剣と秤を持つ金のミカエル像を奉る修道院の楼と尖塔は1897年に完成しました。

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モンサンミッシェルの成り立ち

オベールという司教が夢のなかで大天使ミカエルから「この岩山に聖堂を建てよ」とのお告げを受けましたが、最初は悪魔の悪戯だと思い信じなかった。3度目のお告げで大天使ミカエルはオーベルにしびれを切らし、オベールの額に指を触れて強く命じたところ、オベールは稲妻が脳天を走る夢を見た。オベールは自分の頭に手を置くと脳天に穴が開いていることに気づいて愕然とし、ここに至って大天使ミカエルのお告げが本物であると確信してここに礼拝堂を作ったのがモンサンミッシェルの始まりであるとされています。修道院内にはその一連の模様を記したレリーフがあります。

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百年戦争時代

14世紀、イギリスとフランスは百年戦争へと突入します。イギリス、フランス間に位置するモンサンミッシェルは修道院としては閉鎖され、イギリスの侵攻を防ぐ城塞として利用されることになります。干満の差と潮流の激しさが助けとなって敵が船で近づくことができず、モンサンミッシェルは長い戦いの時代を無事乗り越えました。百年戦争が終結すると、モンサンミッシェルが戦乱を乗り切ったことで守護の大天使であるミカエルへの人々の崇拝は高まり、フランス国内を中心にヨーロッパ中から聖地モンサンミッシェルへ巡礼者たちが訪れるようになりました。巡礼者はモンサンミッシェルに到着すると捧げ物をし、巡礼マークやバッジなどの大天使をモチーフにした記念品を選んで身に着けました。

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モンサンミッシェルがある場所

モンサンミッシェルのあるノルマンディー地方南部サン・マロ湾はヨーロッパでも潮の干満の差が最も激しい所として知られています。潮の満ち引きの差は15メートル以上もあり、修道院が築かれた島はかつては満ち潮の時には海に浮かび、引き潮の時には自然に現れる陸橋で陸と繋がっています。島の入口には潮の干満時刻を示した表示があり、満潮時には浜に降りないようにと記されています。これは、かつて多くの巡礼者が潮に飲まれて命を落としたといい、「モンサンミッシェルに行くなら、遺書を置いて行け」という言い伝えがあったためです。特に干潟での事故は近年でも発生しており、一度干潟などに足がはまってしまうとヘリコプターなどを使用しての救出しかできず、命を落としてしまう可能性がある今も危険な場所です。

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多くの生命を育む干潟

かつては巡礼者の命を奪ったりした干潟ですが、その反面、多くの命を育んでいる一面もあります。朝方、太陽が昇り、干潟の潮が引くとプレサレ(低湿地帯)という草原地帯が現れます。そこへどこからともなく羊がやってきてその草を食べる。また干潟には貝、ヤドカリ、カニなどが生息しており、それに釣られ水鳥などが舞い込み、エサとして食べる。このような命の営みが粛々と行われているモンサンミッシェルの干潟はラムサール条約にも登録されています。

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海に浮かぶ修道院

光が当たる角度によってその姿を変えるモンサンミッシェル。朝は修道院の荘厳な雰囲気。日没後はライトアップと夕日に染まった空のコントラストが楽しめる。2014年には島と陸を結ぶ新しい橋が完成。今までの堤防道路が撤去され、一年のうち半分は海に浮かぶ姿を見られるようになりました。

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散策をするだけでも楽しいグランド・リュ

フランス語で「大通り」を意味するグランド・リュ。実際はこじんまりとした修道院に続く石畳の参道です。参道の両脇にはかつて巡礼者に提供するための宿屋や料理店が軒を連ねています。

参道の雰囲気はさながら中世にタイムスリップしたかのようです。ブルターニュ地方、ノルマンディー地方双方のお土産を購入することができる便利な買い物スポットでもあります。

料理はやはり、「ラメールプーラール」ではモンサンミッシェル名物のとろとろふわふわのオムレツ。昔、命がけで島を訪れた巡礼者に無料でふるまっていた料理。今も昔と変わらない味が楽しめます。

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最後に

フランスの首都パリから出発するツアーも出ているモンサンミッシェル。日帰りで楽しむことのできるこの修道院は歴史上の様々な顔を楽しむことにできる稀有なスポットでもあります。もちろん、付近の宿で一泊し朝の荘厳な雰囲気、夜の美しいライトアップ双方を楽しむのもおすすめです。フランスを旅で訪れた際はぜひモンサンミッシェルへ訪れてみてはいかがでしょうか?

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